ピラネージ建築論 対話(PARERE SU L'ARCHITETTURA)
著者:ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ
翻訳:横手義洋  校閲:岡田哲史

ピラネージ建築論

~ドリス、イオニア、コリントがほんとうに重要なオーダーであると信じているのですか?~

十八世紀、幻視の建築家ピラネージによる建築論 "PARERE SU L'ARCHITETTURA" を収録。
古典主義建築の脱構築。論理の運動が「単調なる純粋さ」を挫く。
訳者、校閲者による解題を付す。本邦初訳。


   

価格:1400円+税(送料別)
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序 ピラネージとは誰か

長尾重武

 ピラネージの『建築に関する所感』は、二人の人物プロトピロとディダスカロの対話形式による建築論である。一七六五年に出版されたこの対話篇は、ピラネージの当時の考え方を示す点で注目される。ディダスカロはピラネージの友人、プロトピロは当時の有力な建築論の代弁者と設定されている。最も有名な『牢獄』などで示したように、ピラネージが単に奇想・幻想の版画家とするのであれば、彼が建築論を書いた意味も、そして私たちがそれを採り上げる意味もない。むしろこの建築論に触れることで、本来のピラネージが私たちの前に登場するといっても過言ではない。…続きを読む



「建築をめぐる観念の爆弾」

田中純

『ピラネージ建築論 対話』— 書名は簡潔きわまりなく、ひどく素っ気無い。しかし、そこに仕込まれているのは、建築をめぐる観念の爆弾である。…このソクラテス的対話篇は一八世紀建築論の歴史的資料であることを越えて、多面的にアクチュアルだ。その議論は二〇世紀のモダニズムを予告するばかりか、現在にまで突き刺さってくる。…

「汚れた起源『ピラネージ建築論 対話』」『未来』No.462号(2005年3月号)、未來社、2005年、22~25頁より抜粋



◆書籍データ

発行所:編集出版組織体・アセテート ISBN:4-902539-04-7
発行日:2004年10月31日
翻訳:横手義洋
校閲:岡田哲史
編集:中谷礼仁・北浦千尋
頁数:136頁(巻末の原文を含) サイズ:210×140mm


◆目次

・口絵
序・ピラネージとは誰か…長尾重武
・建築に関する所感 対話 プロトピロとディダスカロ
・解題 ピラネージの『対話』について…横手義洋
・写真 プリオラート聖堂…岡田哲史撮影
・付論 ロードリとピラネージの建築論---18世紀モデルニズモをめぐる論考…岡田哲史
・原文 PARERE SU L'ARCHITETTURA
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